みなさんは文字を綺麗に書きたいと思ったことが、何度かあるのではないでしょうか。
ただ、なかにはペン字の練習帳を買って書き始めてもすぐに止めて、時間が空いてから再び始めて止めることを繰り返す人もいらっしゃるでしょう。
では、なぜ美文字を書きたいのに途中であきらめてしまう方が多いのでしょうか。
実は、美しい文字を書くには正しい手順で体系的にペン字を習うことが必要です。さらに上達が早くなり、効果も実感しやすくなります。
そこで、今回は「【美文字を書きたい人へ】字が上手になるための6つの手順」をご紹介します。
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当サイト「樹々のペン字」では、汚い字を綺麗な字にしたい!美文字を書きたい!と思っている方へ向けてお伝えしています。
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なお、具体的に手順を知りたい人は、美文字への手順1:美しい文字の意味を知るへ。
美文字を目指す前に知っておきたいこと
はっきり申し上げますと、美文字を書くためには毎日15分~20分の練習でも約1ヶ月はかかるということを知っておいてください。
時間にすると約10時間ほど。これを伝えると、多くの人はやっぱり止めておこう。。。ということになります。
しかも、1日や2日で約10時間の練習をするよりも毎日継続することが大切。なぜなら、書きたい字を見た瞬間に自然と書くポイントが浮かんでくることが必要だからです。
そのためには、何度も字を書くことで美文字のポイントを覚えなければいけません。なので、基本は”覚える作業”が必要になります。
前日の復習をしつつ、新しい字を学ぶほうが記憶を定着させやすくなります。
そうなると何か目標を持っていなければ続けるのは難しい。例えば、目標として考えられるのは下記のとおりです。
- ペン字の段や級を目指したい
- 就職前に何か学んでおきたい
- ファンレターを書きたい
- 手書きで手紙を書いてみたい
上記以外にも色々な目標があると思いますが、正直に言うと、単に「綺麗な字を書きたい」というだけでは継続するのは難しいでしょう。
しかも、できれば添削をしてもらって第三者に見てもらわないと、お手本がなければ美しく書けないということになりかねません。
なお、ペン字の練習帳を使って練習するだけでは意味がない理由は、下記のコラムでご紹介しています。
まずは美文字を書きたいと思ったら、綺麗な字を書くことで何に役立つかをイメージすることが大切です。
じゃあ、美文字を書く目標は決めた、決まっているという方は、次に美しい文字とはどのような字を意味しているのかをお伝えします。
美文字への手順1:美しい文字と汚い字の違い
みなさんが綺麗だと思う字は「読みやすい」や「整っている」を想像される方も多いと思います。
では、一般的に美文字と呼ばれる字とはどのようなものを意味するのでしょうか。
美文字とは?
一般的に美文字と呼ばれているのは、下記の3つのポイントを抑えている字を意味しています。
- バランスが取れている
- 字にメリハリがある(ハネ・ハライ・トメ)
- 字の個性が分かる
美しい字といっても同じ字とは限らず、バランスやメリハリがある上に個性がある字を指しています。
そのため、個性をなくして機械的にお手本を真似て書けば美文字になるというわけではないので誤解しないようにしましょう。
本来の美文字は、見た瞬間に何か違うと思うような字です。機械的な字では味がでません。
では、一方で汚い字というのは、どのような字を意味しているのでしょうか。
汚い字とは?
一般的に汚い字と呼ばれている字の特徴は、下記のとおりです。
- バランスが悪く空白がまばら
- 子どもっぽい字になっている
- 全体的や部分的に字が小さい
- 字が丸くなっている
- 字が斜めになっている
- 字が角ばっている
汚い字というのは、バランスが悪く、いかにも急いで書いた字のようなものを意味しています。
上記で紹介した汚い字の特徴は、個性があるとも言えますが、多くの方が書くのは「クセ字」です。読めないわけではないですが、自分だけが見て分かる字のことですね。
一方、「個性のある字」というのは、バランスが整っているものの、ハネやハライが大きい、決して綺麗ではないけど味わいがある字を意味しています。
まずは、ハネ・ハライ・トメを意識するだけでも美しい字に見えます。
これで美しい字と汚い字の特徴は分かったという方は、美文字を書く手順を進めていきましょう。
美文字への手順2:姿勢・持ち方・道具
まずは、美文字を書くには「正しい姿勢」「ボールペンの正しい持ち方」、そして「ペン字で便利な道具」について知っておきましょう。
正しい姿勢
美しい字を書くには正しい姿勢で書くことも大切です。ポイントは下記のとおりです。
- 背筋をまっすぐに伸ばす
- お腹と机はこぶし1つ分あける
- 両足を自然にピッタリとつける
では、なぜ正しい姿勢が大事かと言うと、字を横や縦に書くにつれて自然と姿勢が斜めに傾いていくからです。身体が傾けば書く字も斜めに曲がりやすくなります。
さらに、字を書く時の「紙の置く場所」も大事です。右利きの人は右脇の延長線上に紙を置くと”まっすぐな字”が書きやすくなります。
そのため、自然と正しい姿勢にするクセをつけておくことで、安定した字を書くことができるようになります。
身体が傾いていると感じたら、正しい位置に身体を戻しましょう。
ボールペンの持ち方
では、ボールペンの正しい持ち方をお伝えしておきますね。
- ペン先を下に約2㎝上で親指と人差し指で挟む
- ペンを寝かせて下から中指を添える
- 親指・人差し指・中指で三角形になるように
- ペンの角度は紙に対して約60°~90°の位置に
筆記具の種類により、筆圧のかけ方がかわるため持つ角度が変わります。
- ボールペン・鉛筆:約60°~90°
- シャープペンシル:約55°~60°
- 万年筆:約45°~60°
万年筆は筆圧がほとんどいらないため、角度も小さくで済みますね。
なお、さらにボールペンの正しい持ち方をさらに知りたい人は下記のコラムを参考にしてくださいね。
ペン字で必要な道具
美文字を書くために必要な道具は、「ペン」「下敷き」「ノート」です。
ペンは自分が書きやすいと思えば何でも構いません。ただ、書きやすく価格も安いジェットストリームがおすすめです。
次に、ソフト下敷きは用意しておくべきです。下敷きがクッションになり、字が書きやすくなります。
最後に、ノートは罫線が書かれているマス目があるものを利用します。キャンパスのノートが安くておすすめですね。
特に、中心線や字のバランスを確認しながら字を書くなら、方眼罫が便利ですね。
ソフト下敷きを使うとスムーズに書けるようになるので、是非、使いましょう。
次に、美文字を書くための運筆と筆圧についてご紹介します。
美文字への手順3:運筆・筆圧
美文字を書くためのステップとして、最初に準備運動をしましょう。それが、運筆です。
運筆
「運筆」と呼ばれる字を書くための準備運動をするのとしないのとでは字に違いが出ます。その準備運動にカタツムリを書くと良いのです。
では、まず文字が上手くなるために、「等間隔」を意識してカタツムリや曲線を書いてみましょう。
字を書く前に1分でもいいので運筆を練習する習慣をつけておくと、字の練習に取り掛かりやすいというメリットもあります。
運筆は、例えるならスポーツをする前のストレッチの役割ですね。手首を柔軟に使えるようにしましょう。
上記以外の運筆については、下記のコラムをご覧ください。
筆圧
次に、字を書く時には「筆圧」にも注意を払いましょう。基本は「トメ・ハネ・ハライ」です。
これは美しい字の特徴でもご紹介した内容で、トメ・ハネ・ハライを正しく書くだけでも綺麗な字に見えます。
特に、線の書き出しは斜め45度を1画目と考えて書き始めると、大人っぽい、しっかりとした文字が書けます。
字の書き出しを工夫するだけでも綺麗な字に見せることもできます。
次に、みなさんが苦労するバランス。美文字はコレ次第といっても過言ではないくらい重要です。
美文字への手順4:バランスを整える
美文字の基本は、バランスです。これが何よりも大切で、バランスを改善するだけで綺麗な字と言われることも。
そこで、基本となる「中心線にそろえる」「空白の使い方」「上下左右の割合」をお伝えします。
中心線にそろえる
字を書いた時に中心線がすっと通っていると、とても美しく見えます。これが基本です。字が汚く見えるのは傾いていることが多いのが大きな理由なのです。
ただ、意外とまっすぐ書くのは難しく、はじめのうちはノートなどの罫線を使って字が中心になるように練習します。
実は、いきなり「ひらがな」から書き始める方も多いですが、左右非対称が多い「ひらがな」は中心を通す練習に不向きです。
まずは、「東京」や「中」、「田」などの左右対称の字から練習してみましょう。
「ひらがな」は左右非対称の字が多いので、意外と書くのはコツが必要になります。
余白の使い方
上下左右の割合
美文字への手順5:お手本をマネて書く
美文字の特徴であるバランスについて分かったら、今度は実際にお手本を見てマネて書く作業を始めます。
ただ、お手本をそのままマネて書くだけではなく、字のポイントを抑えることが大切です。ポイントを抑えるコツをお伝えします。
お手本を観察する
いきなりお手本のマネをして書く前に、しっかりお手本がどのような字形になっているかを観察しましょう。
そのポイントは、これまで上記でご紹介したような「バランス」「ハネ・ハライ・トメ」です。
字ごとに特徴が異なるので、字を見た瞬間にポイントが浮かべるようになりましょう。
お手本をマネて書く
実際にお手本をマネて書きますが、基本的にお手本はペン字練習帳でも通信講座でも構いません。ただ、通信講座ならポイントが体系的にまとめられてるメリットがありますね。
自分が好きな字を選ぶ方法もありますが、初心者であれば基本となる楷書が書けることを目指しましょう。
いきなり、草書を書こうとしても楷書のポイントが分かっていないと崩しが上手になりません。
お手本と比較する
最後に書いた字とお手本との違いを比較することがとても大切です。
同じように書いてもポイントが同じでなければ、お手本がなければ同じように書けないことになってしいます。
最後にお手本と比較することで書くポイントを覚えやすくなるので、書きっぱなしは止めておきましょう。
さらに、誰かに添削をしてもらうと、より上達が早くなり個性を活かしたまま美文字が書けるようになります。
美文字への手順6:ひらがな・漢字・数字
美文字を書くための「ひらがな」「漢字」「数字」の書き方をお手本として紹介していきます。
ひらがなのお手本
「ひらがな」は日本語の文章の約7割を占めると言われています。曲線が多いので、ポイントが分かりにくいかもしれません。
一文字ずつポイントを覚えるようにしましょう。
なお、上記以外のひらがなの書き方のお手本は、下記のコラムでご紹介しています。
漢字のお手本
算用数字・漢数字のお手本
算用数字の綺麗な書き方をご紹介します。
下のように少し斜めに書くと大人っぽく見えます。
私は基本的に少し斜めにを書くことが多いですね。ぜひ書いてみてください。
次は、漢数字の綺麗な書き方をご紹介します。
なお、さらに算用数字・漢数字の書き方は、下記のコラムでご紹介しています。
まとめ
今回のコラムでは「【美文字を書きたい人へ】ペン字が上手になるための6つの手順」をご紹介しました。
まずは、私が書いた美文字を書くための「ひらがな」「漢字」「数字」の書き方をお手本として、練習してみてくださいね。